むち打ちは原因によって治療方法が異なるので注意が必要
むち打ちは交通事故だけに限らず、運動中やつまずいてこけたり、人とぶつかってもなるため、比較的身近な傷病と言えます。
そのため、昔から『患部を冷やしたらよい』『患部を温めた方がよい』『整体を受ける方が治りが早い』『電気治療が効果がある』『安静にしているのが一番』など、様々なむち打ちの治療方法に関するうわさがあります。
むち打ちで痛みのある人にとっては、少しでも痛みを軽減させたいので、様々な治療方法を試している人もいるかもしれませんが、むち打ちに関しては万人に効果がある治療方法というものがほぼないと言えます。
そもそもむち打ちは『頸部に違和感や痛みがあるが、CTやレントゲンなどで骨や筋肉などに異常が見られない症状』の総称でむち打ちとよんでいるため、細かく見ていくと原因が様々にあるからです。
原因不明で長期のむち打ちには注意
むち打ちの原因が筋肉組織の断裂であれば、断裂部分はいわゆる傷ですので炎症を起こします。
そのため、炎症を抑えるためにむち打ち発症直後は冷やし、炎症が治まってからは温めて筋肉組織の回復を促進するというのが正しい治療方法になります。
神経組織が断裂している場合には、神経組織が新たにつながるまで安静にする必要があります。
また、電気の刺激により神経や筋肉組織が刺激され、回復の促進が促されるため、電気治療も一定の効果が望めます。
CTやレントゲンでは確認できないほどの微細な頸骨や筋肉組織のズレで痛みが生じている場合には、元の位置に戻すことで治りが早くなるため、整体が効果的と言えます。
つまり、筋肉組織が断裂しているのに下手な整体を施術されてしまうと傷が広がりますし、骨がずれているのに湿布で冷やしたり温めても根本的な治療となっていないため、『むち打ちがいつまでも治らない』という状況に陥ってしまいます。
ただ、脳脊髄液減少症は髄膜が破れて引き起こるむち打ち症状なので、専門的な治療方法が必要となります。
交通事故によるむち打ちで相談に来られた方の中には、「2か月たってもむち打ちの症状がよくならず、医師からもCTなどでは異常がないと言われ、保険会社からは治療の打ち切りを言ってこられて困っている。」という方もいます。
「脳脊髄液減少症の可能性もあるため、脳脊髄液減少症に詳しい病院で再検査をした方がよい。」とアドバイスさせていただき、やっと脳脊髄液減少症が見つかり、正しい治療を受けられた方もいます。
そのため、医師や整体師の治療を受けていてもなかなか回復しない場合には、現在医師の治療を受けているならば整体師、整体師ならば医師の治療を受けてみたり、脳脊髄液減少症を専門とした病院で再検査するのもよいと言えます。
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脳脊髄液減少症の新ガイドライン後は、正体不明のむち打ち症として治療や補償が受けられなかった交通事故のケースでも、補償が受けられる可能性が高まる。
むち打ちの検査は、レントゲンやCTなどの画像診断のほかに、筋萎縮テストなどの神経検査や脳波検査がある。むち打ちが長引くようであれば、画像検査のほかの検査を受けるとよい。
むち打ちの原因は多数あり、整体院での治療は首の骨の歪みによるものであれば効果が高いが、手術によるものでないと治療できないものもある。
むち打ちは神経症状を証明するにあたって、本人が主張する自覚症状のみで客観的な証拠に乏しいため、後遺障害を認めてもらうには、立証する証拠や通院記録を残すことが大切である。
むち打ちとなった初期の段階では冷やす方が良いが、炎症が治まった時点では治療を促進させる温熱治療をした方が良い。しかし、専門家の指導のもとにしなければいけない。