むち打ちの後遺障害を認めてもらうためにすべきことは?
むち打ちになった場合、交通事故の被害者であれば保険会社が治療費を払ってくれますが、何年間も払い続けてくれるわけではありません。
保険会社は、完治しないのならば症状固定をして示談を始めましょうと伝えてきますが、症状固定をしたからむち打ちによる後遺障害を認定してもらえるわけではありません。
症状固定は、今残っている症状はそのまま残るという意味であり、後遺障害は、自賠責保険の関連会社に書類を提出して審査の末、認定するかどうか決定されます。
保険会社の問いかけに応じて症状固定をしたが、むち打ちによる後遺障害が認定されない場合はどうなるのでしょうか?
交通事故で受傷したが、後遺障害等級の認定はなかったという事実に基づき、後遺障害慰謝料など、損害賠償金額が大きく減らされます。
その上、症状固定をした後の治療費は患者の負担なので、症状固定後もリハビリを続ける場合は、自費で支払わなければなりません。
むち打ちになったが完治した場合は、症状固定後の後遺障害認定申請について心配する必要はありません。
しかし、交通事故でむち打ちになった本人は、怪我が完治するか、それとも後遺症が残るかなど、知るよしもありません。
むち打ちと診断されたら、後遺症が残った場合に備えて自衛するべきです。
むち打ちと診断されたらすべき3つのこと
・怪我に関する記録を残しておく
交通事故に遭えば誰でも気が動転します。
怪我について正確な記録を残すようにと言われても困るかもしれませんが、簡単なメモで良いので日にちや時間を入れて記録を残すと、後で役に立つことがあります。
たとえば、受傷して3日後から右肩が痛み始め、その後も右肩の痛みが続く場合、「○月○日事故に遭う。○月○日右肩が痛い」というように、自覚症状が現れた日と痛む箇所を記録します。
痛む箇所が右肩だったり、ある時は左肩だったりと、一貫性のない症状は、後遺障害等級認定の審査でマイナス要因になります。
・一定の頻度で定期的に治療を受ける
いくら痛みがひどくても、月に1回治療のために通院したという程度では、後遺障害等級の認定は難しいと言えます。
1カ月治療を受けなくても差し支えない程度の症状であると判断されるからです。
主治医の意見に従って、適度な頻度で定期的に治療してもらうことで、後遺障害等級が認定される可能性はより高くなります。
・事故の記録を詳細に残す
加害者の車の速度が速ければ衝突した瞬間の衝撃が大きくなるので、より重度のむち打ちになります。
むち打ちに限らず、交通事故に遭ったら、同乗者の協力を仰ぐなどして、できる限り事故の記録を残しましょう。
車の傷や路面の状態、周辺の交通標識、ドライブレコーダーは客観的な記録として役立ちます。
この記事を読まれた方にオススメの情報5選
交通事故により負ったむち打ちを後遺障害と認めてもらうためには、医師の助言のもとに定期的に通院治療をしつつ、怪我と治療に関する記録を残しておくと良い。
むち打ちでも医師からの後遺障害である旨の診断書があると、後遺障害として認定されるケースがあるが、治療頻度や治療期間などいくつかのハードルがあるため、弁護士からアドバイスを受ける方が良い。
交通事故でむち打ちとなった場合、その治療費を請求できる。しかし、むち打ちの治療は一般的に長くは続かず、途中で治療費を打ち切られるケースが多い。
交通事故によりむち打ちとなった場合、むち打ちが完治するまで治療を続けると治療費が増えるので、治療を終えるまでは損害賠償請求ができない。
むち打ちで入院することはほとんどないが、医師から入院を勧められた場合には事前に保険会社に入院の了承をとる方がよい。