交通事故によるむち打ちにおいての心因的要素とは

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むち打ち

心因的要素によってむち打ちの保険金が減額される!?

むち打ち2

交通事故のむち打ちの場合、数日で完治するものもあれば、半年、1年と長期にわたり通院するケースも見られます。
交通事故の被害者からすれば、「むち打ちの症状が治るまでの治療費は、加害者や加害者の保険会社に出してもらうのは当然」と思われるかもしれません。

しかし、むち打ちの症状で半年、1年と治療費が認められるケースは非常に稀と言えます。

もともと、むち打ちの原因の7割以上が首の捻挫であるため、捻挫を起因させている筋肉の損傷や頸椎のずれが解消されれば快癒されると考えられるからです。
そのためむち打ちの症状だけであれば、多くの保険会社は2週間~1カ月でむち打ちの治療費の支払いを打ち切ってくることがほとんどです。

脊髄損傷や低髄液圧症候群といった別の事が起因して症状が現れている場合には継続して治療を受けることができますが、捻挫である「頸部捻挫」だけでは難しいと言えます。

そのため、むち打ち患者と保険会社の間で治療費の支払いを巡って争いが起こり、裁判にまで発展することがあります。
裁判ではむち打ちの医学的な見解や証拠が重要となりますが、そのほかに心因的要素も加味されます。

裁判で焦点となる「心因的要素」

心因的要素とは、文字通り「心を原因とした要素」です。

普段の生活の中でも、「同じ行為でも、家族や知人にされるのと、全くの他人にされるのでは感じ方が違う」ということがあると思います。
仮に、人にぶつかって転んだ場合、相手がすぐに謝って立ち上がるのを手伝って貰えれば痛みはあまり感じませんが、暴言を吐かれて立ち去られれば痛みを感じやすくなります。

これは心理学的にも立証されており、同じ痛みでも好まざる者が原因の場合には、痛みを強く感じる傾向があるのです。

交通事故の場合、見知らぬ者からいきなり怪我を負わされた状況ですので、むち打ち患者の中には加害者に対して憎しみの念を抱かれることも少なからずあります。
そうなると、医学的な見解からすればむち打ちが治っているにもかかわらず、患者が痛みを訴え続けるということがあります。

そのため、裁判においても心因的要素が重要視され、むち打ち患者に対して不利な判例も存在します。
1つの判例をあげると、軽微な追突事故でむち打ちと低髄液圧症候群を受傷したとして、むち打ち患者が加害者を訴えたものがありましたが、判決ではむち打ちは認めたものの、低髄液圧症候群は否定された上、治療期間が長期化したのは心因的要素が大きいとして過失相殺され、損害賠償額が50%減額されたものもあります。

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