一般的なむち打ちの治療法とは、どのような方法?
交通事故でむち打ちを負った場合の治療は、軽度の場合は湿布などで済みますが、少し動かすだけでも痛い・動かさなくても痛みがあると言った場合には、頸椎用のコルセットで固定します。
むち打ちを負った患部を固定して悪化しないようにするのが目的ですが、コルセットが顎下にある事により、コルセットで頭を支えることができるので、首自体にかかる頭の重量を軽減する作用もあります。
交通事故直後は首の筋肉が硬直状態になる事がよくあるので、むち打ちの症状が強く出ている場合には、筋肉弛緩剤を注射して筋肉を緩めることにより、痛みを軽減させる治療法も併用されることがあります。
また、患部が熱を持つことが多いため、湿布も冷感湿布を用いたり、場合によっては氷枕や氷嚢を用いた方が良いでしょう。
しかし、冷やし過ぎるのもよくないため、痛覚が感じなくなるまで冷やすのではなく、やや冷たいと感じるくらいに控えて、氷嚢等を当てる時間の感覚を調整するようにしましょう。
間違った治療法で長引く場合も!?
多くのむち打ちの原因は筋肉組織の損傷によるものなので、治療も自然に治すことがメインとなります。
筋肉組織の断裂には、その周辺細胞を活発化させて、筋肉組織の修復・再生させるのが早道です。
では、どうすればよいのかと言うと、温熱治療法、つまり温めることです。
患部が温まると血行が良くなるため、血液中の栄養や酸素が患部周辺細胞に供給されやすくなります。
栄養をいっぱい受け取った細胞は、活性化して細胞分裂を活発に行うため、筋肉組織が治りやすくなるのです。
ですが、患部に炎症がある場合には逆効果となるため、医師の診断を受けた後に温熱治療に切り替えましょう。
また、むち打ちの治療でよく行われるのが頸部の牽引です。
交通事故の衝撃により頸椎間が狭まったり、歪んでしまったりした場合に有効です。
牽引によるストレッチ効果で、筋肉のコリを解消する作用もあるため、理学療法士などにより施術してもらうと良いでしょう。
民間療法などで、施術者が手や腕を使って患者の首を左右に振ったり、時として勢いよく首を曲げるようなことがありますが、あれは絶対にダメです。
患部を悪化させたり、正常な組織まで損傷させかねないため、熟練の整体師などが行う場合を除いて、素人がしてはいけません。
これらの治療法は一般的なむち打ち症状の治療法なので、これらの治療を受けてもよくならないようであれば、原因が筋肉組織の断裂以外にもある可能性があるため、医療機関で精密検査を受けた方が良いでしょう。
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医学的な画像診断が得られないむち打ちの場合、神経学的検査が行われることもあるが、絶対的な検査方法ではない。
むち打ちの検査は、レントゲンやCTなどの画像診断のほかに、筋萎縮テストなどの神経検査や脳波検査がある。むち打ちが長引くようであれば、画像検査のほかの検査を受けるとよい。
交通事故による怪我で多いむち打ちの症状は損傷箇所・程度によって、痛みやこりのほか、めまいや頭痛など様々である。画像診断のほか神経学的検査や医師の所見も含めることで症状を証明することができる。
むち打ちになる原因の第1位は交通事故である。交通事故の衝撃で一瞬にして頸椎、椎間板、関節包、頸部の筋肉などを損傷してしまう恐れのある重い傷害である。
むち打ちとなって治療を受けても症状が良くならないことが明らかになったら、後遺障害診断書を書いてもらえば、むち打ちによる後遺障害等級認定の申請ができる。