死亡事故の保険金は誰のもの?
時として何千万、一億を超えることもある、死亡事故で支払われる保険金ですが、受取人は誰のものになるのでしょうか?
被害者が生存している交通事故の場合は、当然被害者に対して損害賠償金として加害者や損保会社より支払われます。
しかし、死亡事故の場合は損害賠償金を受け取るはずの被害者が亡くなっているため、法定相続人に権利が移行します。
法定相続人について説明すると、配偶者はいかなる場合も1番目の相続の権利を有します。
2番目に子供となり、子供が亡くなっている場合にはその子供、死亡した者から見ると孫が代襲相続することになります。
子供も孫も亡くなり、ひ孫がいる場合にはひ孫が相続人となると言うように、子孫に関しては繰り下がって相続権が発生することになります。
配偶者がいても子供や孫がいない場合には、両親に相続権が発生します。
子供もおらず、両親もいないとなると、死亡した者の兄弟に相続権が発生します。
兄弟も亡くなっている場合にはその子供、甥や姪までが相続権が発生する範囲です。
ですので、死亡事故の被害者と配偶者の間に子供がおらず、兄弟もなく両親も先に亡くなっている場合には、配偶者のみが相続人となります。
死亡事故の保険金の分配割合は?
法律では相続割合が決まっていますが、損保会社から支払われる損害補償金に関しては明確に決まっているわけではありません。
そのため、残された母親が高齢であるため法定相続割合の交通事故の損害補償金を受け取ってしまうと、母親が亡くなった際に子供に対して相続税が発生するようなケースでは、相続税が発生しないように母親の金額を減らすと言ったケースもあります。
また幼い子供がいる場合には、将来に備えて子供のために使えるようにと、死亡事故の保険金のほとんどを子供名義にする人もいます。
ですが、相続人同士間の関係が良好とは限らず、金額を巡って争いとなる事があります。
特別な事由がない限り裁判所も、死亡事故の被害者に不動産屋や預貯金が別途あった場合には、それも含めた金額で法定割合によって相続する和解案を提示してきます。
それ以上にもめるのが、死亡事故の被害者に配偶者と子供がいるケースで、死亡者の両親が損害補償金を求めるケースです。
両親からすれば「息子が交通事故で亡くなるなんて。」と言う気持ちがあるのですが、法的には相続権があるわけではないので、損害保証金を受け取る権利はないのですが、配偶者に支払われた損害補償金を渡せと請求してくることがあり、もめる火種となります。
両親に対しては損害補償金請求権とは別の「慰謝料請求権」がありますので、そちらの請求権で加害者や損保会社に請求することになります。
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専業主婦の死亡事故でも、賃金センサスにおける逸失利益の計算が裁判でも認められ補償が支払われるが、保険会社が提示する示談金と大きな差が生じることがある。
死亡事故で支払われる保険金は基本非課税であるが、物品に対する損害補償金などは課税対象となるので、税金の納め忘れには注意が必要である。
死亡事故で死亡した方の過失割合が大きい場合には、過失割合に応じて減額されるが、自賠責保険では被害者救済の面から特別な減額割合となる。
被相続人に多額の借金がある場合には相続放棄をすることが多いが、死亡事故の場合には保険会社の保険金請求権も放棄してしまうことになるため、相続放棄する前に弁護士に相談した方が良い。
家族が死亡事故の被害者となり、相続放棄をする場合、相続放棄の期限が死亡したことを知ってから3か月なので、死亡事故の場合は早期に弁護士に相談するとよい。