死亡事故の過失割合でもめる理由はどんなものがある?
交通事故において双方の言い分が違うことはよくあり、一方が亡くなる死亡事故においては、生きている方の主張がまかり通ってしまい、死亡事故の被害者遺族との紛争の原因となります。
死亡事故でも歩行者と自動車の場合は、歩行者の優先の大前提から、「歩行者が酔って車道で寝ていた」「片側3車線の大通りで、信号付の横断歩道が付近にあるにもかかわらず、ガードレールを乗り越えて道路を横断した」といったような状況でもない限り、歩行者の過失が0かきわめて低いとの前提で警察も調査をします。
しかし、自動車対自動車の場合は、片方の過失割合が0となることは極めて稀で、双方が過失割合を負うことになります。
交通事故の過失割合は、今まで何千万件も交通事故があり、何万件もの判例があるため、過失割合の基準というものが存在しています。
そのため、交通事故が起こった際に保険会社が提示してくる過失割合は、その基準によるものが多いです。
なぜ過失割合でもめるの?
過失割合でもめる理由は、お互いの過失割合を足した時には10となることです。
過失が全くなければ0ですし、一方的な過失があれば10になります。
つまり双方の過失が0であったり、10であったりすることはありえないのです。
この過失割合は、保険金の支払いにおいて大きな問題となります。
過失が0ならば全面的な補償を保険会社から受けることができますが、過失が10であれば特約に加入していない限り保険金は支払われません。
つまり過失割合が6であれば、治療費などは40%しか支払われないため、少しでも保険金の支払いを増やそうと、過失割合の押し付け合いが起こるのです。
死亡事故の場合には、さらに状況は深刻になります。
死亡事故の被害者に対する損害賠償金は1千万単位になることもあり、過失割合が1変わるだけで数百万円の違いになるため、死亡事故を起こした側からすれば死活問題と言えます。
また、過失割合は刑事裁判の結果とリンクしていないとはいえ、影響があります。
死亡事故の状況が通常ならば4:6の過失割合になるのに、裁判の事故状況の分析からスピード違反や信号無視などが分かり、8:2に変化するといったこともあり得ます。
刑事裁判において、示談が済んでいるかどうかも大きなファクターになります。
死亡事故の遺族との示談が済んでいる場合には、裁判官もそれを情状酌量の判断材料とすることもあるので、示談を急ぐ加害者もいます。
そういった場合には、被害者が有利な過失割合で示談に応じる加害者もいるため、死亡事故の場合必ずしも過失割合でもめるとは限りません。
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家族が死亡事故に遭った場合には示談交渉を行うが、損害賠償請求権の時効は事故日から5年である。しかし、提訴や催告、承認などで時効の更新(中断)を行う事が出来る。
ご家族が死亡事故に遭われると、正常な判断ができなくなる可能性があります。抜けのないよう、損害賠償を全て請求するためにも、その種類についてはしっかりと把握しておく事が大切です。
死亡事故の相続人で意見が分かれた場合には、個別の示談を加害者側に申し出ることができるが、相続人同士で意見がまとまっている方が良いので、相続人同士の仲介を弁護士に依頼すると良い。
死亡事故当時無職であった場合には、逸失利益を0円として保険会社は計算をしてくるが、裁判所の判断によっては逸失利益を認める判決が出ることがある。
死亡事故の民事裁判となった場合、加害者側は損害賠償金の遅延損害金も併せて支払わなければいけなくなる。