死亡事故で保険会社との交渉が難航している場合には
交通事故の保険会社との交渉が、難航することはよくあります。
特に死亡事故の場合には、交通事故の被害者の本人が死亡しているため、被害者本人の証言が得られず、加害者に有利に進むことがあります。
交通事故の状況に関して加害者と被害者家族の言い分が食い違っていることはよくあることで、歩行者は青信号で横断歩道を横断中であったにもかかわらず、「歩行者の方が赤信号なのに無理に道路を渡ってきた」といったような嘘を平気でつくこともあります。
以前ならば、目撃者がいない限り事故の瞬間の状況が分からなかったことが多かったのですが、コンビニなどの防犯カメラの普及や車載カメラを搭載した自動車の増加から、加害者の嘘がすぐに露見することも珍しくなくなってきました。
そのため、死亡事故の被害者家族からすれば、「死亡事故を起こしたくせに、加害者は自分可愛さに嘘をついている」「加害者からの謝罪がない」など、交通死亡事故当初から大きく加害者との仲が悪化することになります。
その後、加害者が加入していた自動車保険の保険会社が交渉に入ったところで、加害者に対する心証は最悪ですので、交渉がうまくいかないことが多々あります。
死亡事故の対応は弁護士に任せた方が無難
また、加害者に対する心証が悪いにもかかわらず、保険会社の対応によりさらに悪化することがあります。
「保険会社の担当の言動が冷たい」「担当の態度が高圧的で加害者側とは思えない」「担当が頼りなく、言うことがころころ変わる」と理由は様々です。
なかには誠実な保険会社の担当もいますが、そのような担当との交渉であっても、被害者家族側の精神状態が芳しくないため、すべてを悪い方へと捉えてしまい交渉が進まないと言ったケースもあります。
保険会社との話し合いがうまくいっていない場合には、まず、その保険会社のお客様相談窓口に電話をしてみましょう。
相談窓口は担当とは別の、本社の直轄部署が管理していることが多く、ここに苦情が入ると本社から担当や担当上司に是正の指導が入るため、担当がトラブルを抱えていることを上司や本社に隠すことができなくなります。
そのため、担当に加えて担当上司が付き添いで交渉したり、担当自体の変更もあり得ますので、まずは相談してみると良いでしょう。
しかし、担当の上司がついたり、担当が変更となっても死亡事故の交渉がうまくいかないことが多くあります。
その場合には、弁護士に依頼をして代わりに交渉してもらうのが一番良い方法になります。
死亡事故の場合、通常の交通事故よりも被害者家族の心痛が重いことが多く、加害者側との交渉が心理的なストレスとなっていることが多いです。
それゆえに、加害者側の保険会社との交渉がうまくいかないので、弁護士というワンクッションが入ることで冷静に保険会社からの交渉内容を吟味したり、被害者家族の主張を伝えることができるようになります。
「保険会社と話をしたくないくらいで、弁護士を雇うのは大げさだし、費用の面もかかるし」と心配される方もいますが、死亡事故の被害者の場合ですと、弁護士が介入することにより保険会社から支払われる金額が弁護士費用を払ってでも増額することが多いので、まずは相談をしてみた方が良いでしょう。
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死亡事故の示談を損保会社からされた際には、親族間の紛争を減らすために損保会社への窓口は一人に絞る、損保会社からの交通事故の示談はすぐに了承しないなどの注意が必要である。
死亡事故は、傷害事故と違い被害者が意見を述べることができないため、過失割合に納得できない遺族は、弁護士に事故を調査してもらって正しい過失割合を主張するほうが良い。
死亡事故で弁護士を雇う利点は、公的な手続きを代行してもらえる、加害者側の交渉を任せられるので直接会わずに済む、保険会社と交渉して保険金の増額が望めるなどがある。
家族が死亡事故に遭った場合は、いち早く弁護士に相談するのが望ましい。大切な人を死亡事故で亡くしたなかで冷静に判断するのは難しいものの、弁護士選びは慎重に行わないとならない。
交通事故や死亡事故の加害者や加害者の保険会社に対する保険金の請求権は、2年もしくは3年であるため、時効以前に示談をしないといけないが、時効を中断する方法もあり、弁護士と相談をした方が良い。