死亡事故時の保険会社への対応の仕方
交通死亡事故が起こった場合、加害者側の保険会社から四十九日を過ぎたころに連絡があるのですが、「連絡が遅くて、誠意が感じられない。」と言われる遺族の方もいます。
しかし、「亡くなってから四十九日の法要までは忌中」という考えから、それ以前に連絡をするのを差し控えている側面もあるため、死亡事故から2カ月ほどを目安として待たれるのが良いでしょう。
損害保険会社から連絡があった際に、「突然の死亡事故でまだ気持ちの整理がついておらず、冷静に話すことができない。」「体調を崩してしまい、今は示談交渉出来ない。」と言う場合には、担当名と連絡先を聞いて、改めてこちらから連絡すると伝えればOKです。
損害保険会社にとって交通事故の示談交渉は業務の一環でしかないため、死亡事故の遺族からすると、「話し方が事務的過ぎて、悲しくなった。」、「大事な息子の命を簡単に金に計算した。」と、傷ついたり怒りを覚えたりすることもあります。
しかし、損害保険会社としても補償金額でしか誠意を見せることはできず、なにより冷静に話をしなければ示談交渉が出来ないのでやむをえない面もあるため、交通事故の遺族側も勤めて冷静に話し合いをする必要があります。
示談交渉に限界を感じたら弁護士に依頼を
しかし、損害保険会社との交渉を冷静にと行える死亡事故の遺族の方は少ないと思います。
何気ない一言に傷ついたり、事実と違うことを言われ怒りを覚えたり、家族の命をお金で解決することへの虚脱感など、これらの感情を抱えたまま交渉を冷静に行うのは困難と言うのが実情です。
これは損害保険会社の担当が誠実で良い人であってもぬぐえない感情でしょうし、反対に対応が悪い担当であればさらにその感情を募らせることとなると思います。
自分では冷静に損害保険会社の担当と話が出来ないと思った時には、信頼のできる親類に同席してもらい示談交渉をしてもらうことをお勧めします。
親の死亡事故で娘が、妻の死亡事故で夫が示談交渉する場合などには、近しい関係であるが故に冷静でいられないこともあるので、叔父や叔母、兄弟など亡くなった方とワンクッションある親類を頼るのも良いでしょう。
しかし、相談できる親戚が身近にいない場合や、何度も示談交渉に付き合ってもらえない場合にはどうしたらいいのかと言うと、弁護士に示談交渉を依頼した方が良いです。
親類に何度も頼む煩わしさもなく、しかも交通事故の示談に関して知識があるためスムーズに交渉が進みます。
また、弁護士が損害保険会社と直接交渉するので、交通事故担当の対応や言動に傷つくこともありません。
他にも遺族側の要求をすべて汲み取って、弁護士の立場から「死亡事故の保証金は○○円が相場ですが、××の補償請求をするのは難しいです。ですが、△△に対する補償請求はできますので、追加して請求しましょう。」と適切な補償内容と補償金のアドバイスがもらえるため、早期の段階で弁護士に依頼することも視野に入れておいた方が良いでしょう。
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死亡事故の示談を損保会社からされた際には、親族間の紛争を減らすために損保会社への窓口は一人に絞る、損保会社からの交通事故の示談はすぐに了承しないなどの注意が必要である。
死亡保険の請求権は法定相続権のある人だが、請求権者が複数の場合には代表した一人が保険会社との示談交渉を行う。
家族が死亡事故に遭った場合は、いち早く弁護士に相談するのが望ましい。大切な人を死亡事故で亡くしたなかで冷静に判断するのは難しいものの、弁護士選びは慎重に行わないとならない。
死亡事故で弁護士を雇う利点は、公的な手続きを代行してもらえる、加害者側の交渉を任せられるので直接会わずに済む、保険会社と交渉して保険金の増額が望めるなどがある。
死亡事故の示談交渉の時に弁護士費用特約は必ず利用できるとは限らず、死亡事故のように保険金が高額の場合には弁護士費用が弁護士費用特約で賄いきれないこともある。