遷延性意識障害の患者の転院先を見つけるには?
多くの遷延性意識障害の患者家族が抱える悩みに、「転院先が見つからない」と言うものがあります。
遷延性意識障害の家族を自宅で介護するには、並大抵でない覚悟と家族の献身的なお世話が必要になります。
ですが、遷延性意識障害の患者家族のすべてが自宅介護できるかというと、「介護する側自身も高齢で無理」「仕事をして家計を支えているため、辞めて介護をすると生活が出来ない」「住んでいるのが賃貸アパートなので、介護ベッドなどを置くスペースがない」「古い自宅なので、自宅介護に向いていない」と、様々な理由から医療施設での療養を望まれる方が多いです。
しかし、今の医療制度では病院であれば3カ月で転院を余儀なくされますし、長期的に預かってもらえる療養施設は何年も順番待ちであったりすることもあります。
そのため、遷延性意識障害の患者が入院中であっても、常に転院先の病院を探し続けなければいけず、転院先探しに疲弊されて無理を承知で自宅介護をされる方もいます。
転院探しで有効なのは「ツテ」
では、入院中に転院先を見つけるにはどうすればよいかというと、まずは入院中の病院の医師やソーシャルワーカーに相談することです。
大きなグループ病院であれば同じ系列の病院に転院出来ることがあり、医師自身のつながりで同期や医師が勤めている病院に打診してもらえることがあります。
ソーシャルワーカーの方は地域医療と連携していることが多く、同一市内や同一都道府県の病院に転院できないか打診してくれることがあります。
もし、病院で転院先が見つからない場合には、自治体の保健センターや福祉課に相談に行きます。
窮している現状を説明すれば、保健センターの保健師や自治体の担当から、遷延性意識患者が入居できる病院や施設がないか知らべてくれます。
もう一つが、遷延性意識障害患者の関係者に聞くと言う事です。
遷延性意識障害の家族会の方は、転院問題を何回も経験してきた方々になるので、今まで転院してきた病院を教えてもらうのは、かなり確実な方法になります。
また、遷延性意識障害の患者の交通事故の案件を多く取り扱っている弁護士事務所は、自然とそういった病院に詳しくなりますので、思い切って弁護士に相談してみるのも一つの手です。
最近は療養施設の状況が変わってきて、地方の療養施設などは入居者の減少により、入居しやすくなっているところもあり、中には定員割れをして即入居できる施設まで出てきています。
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遷延性意識障害患者が長期入院するには、医療制度から難しい面があるが、長期入院を実施している医療療養型病院もわずかながらにある。
交通事故の被害者になり、遷延性意識障害となってしまった場合、将来的な転院のための移動費用、さらには介護費用等も視野にいれるべきである。今後を見据えて、適切な慰謝料の請求を行うのが望ましい。
遷延性意識障害となった場合、救急搬送された病院にまずは入院することとなるが、3カ月経つと転院を余儀なくされる。
遷延性意識障害患者の介護は何年・何十年も続くものなので、医師や看護師・ケースワーカー・弁護士などから介護の現場の現状を聞いて、自分や家族にあった介護計画を立てることが望ましい。
自動車事故対策機構(NASVA)は、遷延性意識障害などの交通事故被害者の援護をする独立行政法人で、療養センターの入所や介護料の支給などの支援をしている。