交通事故の遺族ですが、加害者の厳罰を望んでいます
【質問】
3か月前に、小学生の息子を交通事故で亡くしました。
いつも通り小学校に登校しただけなのに、居眠り運転をした自動車に後ろからはねられたのです。
自動車を運転した加害者は近所の妻や子供もいる男性で、「夜勤明けで眠くて居眠りしてしまった。」と言っています。
自分にも亡くなった息子と同じ年頃の娘がいるはずなの、葬儀にも来なかっただけでなく、一度たりとも加害者から謝罪を受けたことがありません。
にもかかわらず、加害者は自宅に帰ってきていて、家族そろって外出している所すら見かけます。
私なりに調べてみたのですが、交通事故で被害者が死んでも最高刑は懲役7年で、しかも死亡事故でも交通刑務所に入るのは1%くらいしかなく、99%の死亡事故の加害者は執行猶予がついて普通に生活ができている事実を知りました。
私としてはすぐにでも刑務所に入ってもらいたいぐらいなのですが、それがかなわないのはわかっているので、出来うる限りの厳罰を司法の場でくだしてもらいたいと思っています。
どうすれば、被害者遺族が加害者に対して厳罰を与えることができるのでしょうか?
【回答】
交通事故でも死亡事故の場合は刑事事件となるため、刑事裁判が行われます。
その際には被害者の遺族からの意見を述べる場が設けられることもあり、その場で裁判官に加害者の厳罰を訴えることができます。
しかし、訴え方を間違ってしまうと厳罰化どころか、逆効果となってしまいかねません。
加害者に掴みかからんばかりの勢いで、吠えるように大声を上げるようなことをすると、裁判官の心証が悪くなってしまいます。
逆に、悲しみをこらえながら切々と息子を亡くした心情を陳べて、最後には涙声になっている姿の方が、子供を亡くした心情を適切に訴えることができるのが分かると思います。
これ以外にも、裁判官に厳罰を求める遺族からの書類の作成や、加害者からの謝罪が一切ないことの証明などを出すと効果的なのですが、一般人である被害者の遺族にそれだけの知識があることは皆無であるため、弁護士からのアドバイスを仰ぐ方が、より厳罰化した判決となりやすくなります。
特に裁判の前に保険会社との示談が済んでいる罪が軽くなる傾向があり、加害者側の弁護士はそれを狙って示談を推し進めてくることがあります。
しかし、被害者遺族が厳罰を望む場合には、判決がおりるまでは示談に応じないようにした方が良いです。
示談に応じないからと言って、損害補償金の金額が下がるわけではありませんが、請求権の時効が迫ってくることもありますので、弁護士に相談をして時効の停止や民事裁判の提訴などをしてもらうようにしましょう。
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交通事故により死亡した被害者が複数いて、その請求権が1人の遺族になる場合には、示談交渉がかなりの重責となることがあるため、弁護士に依頼をして保険会社と交渉してもらう方が良い。
加害者が死亡した交通事故の場合、加害者が加入していた保険会社が被害者の損害賠償を行うが、保険に任意加入していなかった場合には、自賠責保険と加害者の相続人に対して請求をすることになる。
交通事故の被害者が身元不明であっても、刑事罰や行政罰は通常と変わらずされ、損害賠償請求は、被害者の身元が判明して請求されない限りは、時効により請求権が消滅する。
交通事故の被害者、もしくはその遺族には被害者参加制度によって加害者の公判に参加する権利がある。公判では大きく4つの行動が可能で、心情を訴えたり犯罪事実について質問することもできる。