両親が交通事故で死亡。弁護士に2人分の交渉は依頼できる?
【質問】
父と母を交通事故で一度に亡くしました。
交通事故の内容は父の運転する自動車の助手席に母が座っており、トンネル内でセンターラインを越えて飛び出してきたトラックと正面衝突をしたというものです。
私は一人息子でしたので両親の葬儀の喪主をする立場でしたが、両親を一度に亡くした心労が強かったのと、まだ23歳と若輩者であったので、父の兄にあたる伯父が葬儀を取り仕切ってくれました。
先月に四十九日の法要が終わったのですが、加害者が加入していた自動車保険の保険会社から連絡がありました。
両親の交通事故に関して、保険金の支払いの示談交渉をしたいと言われました。
私自身、両親が亡くなったショックから立ち直れず、保険会社には「今は示談交渉ができる精神的な余裕がない」と伝えました。
しかし、いつかは示談交渉をしなければいけませんし、父や母の兄弟の伯父や叔母も、正直相談ができるほど親戚づきあいをしていたわけではないので、困っています。
交通事故の相談は弁護士に依頼をしたらいいと聞いたことがあるのですが、両親の死亡事故ということで、2つの示談交渉を一緒にお願いしたいと思うのですが、同時に依頼することは可能なのでしょうか?
【回答】
交通事故で家族全員が1つの自動車に同乗していた場合、死亡事故に発展してしまうと、家族のうち1人が亡くなった家族たちの損害賠償請求権を有することになります。
例えば、両親と兄・弟が自動車に同乗していて両親と兄が死亡した場合には、弟1人が両親と兄の死亡事故に対する保険金の請求権を持つことになります。
死亡事故の後、1人の示談交渉でも精神的な重圧があるにもかかわらず、複数の示談交渉を並行して行わなければならず、残された遺族には重荷となることが多いです。
そのため、こういったケースでは弁護士に保険会社との交渉を依頼するのをお勧めしています。
質問者は同じ弁護士に、父と母の示談交渉の2件を頼むことができるのかと疑問を持たれているようですが、むしろ同じ弁護士にあわせて依頼をしなければ、2件の示談交渉の足並みをそろえることができず、示談交渉をいたずらに長期化する原因にもなりかねません。
とはいえ、質問者も初めて弁護士に依頼されるものであると思いますので、複数の弁護士に相談をして、回答内容に信頼性があり、なおかつフィーリングが合う弁護士を選ぶのが良いと思います。
弁護士とは示談交渉が終わる数か月~数年間は関わり合いを持たなければいけないため、慎重に選ばれることをお勧めいたします。
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保険会社自身が交通事故の解決のために弁護士に依頼するのは、交通事故の調査のほかに、契約者もしくは相手側に問題があることがある。
加害者側の保険会社と交通事故や示談交渉のやりとりをするのに不安を抱える人は多い。もし、自分で対応する自信が無いのであれば、弁護士に依頼するべきである。
自分にも過失がある交通事故の場合、保険会社は自身が示談交渉権があることを盾に、弁護士費用特約の利用を許可しないことが多い。
個人で保険会社と交通事故の示談交渉をするのには限界があるため、示談交渉がうまくいかない場合には弁護士に任せた方がうまくいく。
玉突き事故の場合、最後尾の車両の過失割合が100%となることが基本であるが、先頭車両の急ブレーキなどの過失がある場合には、過失割合が変わることがある。