交通事故で母が死亡したのですが、葬儀代がなく困っています
【質問】
私は母一人子一人の母子家庭で育ったのですが、昨日徒歩でパートに行く途中の母が交通事故に遭い亡くなりました。
もともと経済状態が厳しく、母はパートで、私は派遣社員で働いていたため、お互いに貯金がほとんどないため、葬儀代がありません。
火葬場での直葬でも20万円くらいかかりますし、母の妹に当たる叔母から「そんな直葬なんて姉さんがかわいそう。」と金銭的な負担をしてくれないのに口だけは出してこられて、正直困っています。
私としても大好きだった母の葬儀なので、出来る限りのことはしてあげたいとは思いますが、何か良い方法はないでしょうか?
明日か明後日には葬儀をするか決めないといけないため、時間がありません。
【回答】
ある程度の年齢になると、「自分の葬式代くらいの貯金がないと。」と言われる方もいますが、厳しい家計事情の場合だとなかなか用意することができません。
特に交通事故による死亡は突然のことで、本人や家族に考える余裕すら与えてもらえないこともあります。
ご相談者のケースでは、すぐにでも加害者が加入している自動車保険の損保会社に連絡をして、葬儀代を支給してもらう確約をもらいましょう。
交通事故の被害者の葬儀代の請求は、判例でも認められており150万円前後を上限に支払われることが多いです。
そのため、損保会社から「150万円までならば葬儀代を出します」と確約をもらえれば、その費用以下で葬儀プランをたてればよいので、現在葬儀費用がなくても問題ありません。
葬儀社から葬儀費用の請求書をもらい、保険会社に請求書を提出すれば支給されますが、損保会社によっては「葬儀代がいくらかかろうが一律150万円」としているところもあり、そういったところには請求書の提出は不要の場合もあります。
しかし、後で揉めないためにも、損保会社からは書面で返事をもらうか、書類を作成してもらうようにしましょう。
もし、加害者が任意の自動車保険に加入していなかったり、損害保険会社が葬儀代の支払いを拒否した場合には、自賠責保険に対して葬儀費用の請求を60万程度まですることができますが、支払いまでに時間を要します。
そのため、同じ自賠責保険の仮渡金の制度を利用する方法があります。
自賠責保険の仮渡金の制度は、示談が済んでいない交通事故の被害者の遺族に対して、生活費などに使えるように被害者救済の面から290万円を先払いしてくれる制度です。
加害者が加入している自賠責保険の加入会社に対して請求をするのですが、申請をすれば約1週間くらいで指定口座に振り込まれます。
このように交通事故の被害者が使える制度がありますので、大切な家族の葬儀をあきらめる必要はありませんので、時間がなくて困っている場合には弁護士に相談をして、すぐに葬儀費用の請求をしてもらった方が良いかもしれません。
この記事を読まれた方にオススメの情報5選
任意一括請求とは、損害保険会社が窓口となって自賠責保険への請求を一括して行ってくれることであるが、メリット・デメリットの双方があるので、よく考えてから依頼をした方が良い。
盗難車によるひき逃げの場合は、自動車の所有者に運行供用者責任から損害賠償請求ができるが、ハードルが高いため、政府保障機関に請求するのが現実的である。
ひき逃げの場合、 国の「政府保障事業によるてん補金制度」により治療費などが支払われるが、自分が加入している自動車保険の特約の利用ができることもある。
単独で起こした事故の場合、自賠責保険を使うことができないが、それを補完するために損保会社の自動車保険には様々な特約を用意している。
親名義の自動車を友人に貸したら交通事故に!?保険はどうなる?
親名義の車を友人に貸して事故が起きた場合、運転手の友人以外にも運行供用者責任から自動車の名義人に損害賞の支払い義務が生じることがある。