むち打ちが長引く際には脳神経内科へセカンドオピニオンを
「2カ月もむち打ちで病院に通っているけれども、ちっともよくならない。医師は異常はないというし、保険会社からは治療費の打ち切りを言ってきているしどうすればいいのか。」
むち打ちに関するご相談では、よく寄せられる内容です。
実際にむち打ちの痛みはまだあるのに、保険会社から「医師が異常ないと言っているので、治療費の支払いは打ち切ります。」と言われて言い返すことも出来ず、泣く泣く示談してしまうというケースがあります。
交通事故の被害者からすると、「医師はちゃんと診てくれないし、保険会社は嘘を言って保険金を騙し取っているかのように疑ってきて悔しい。」と思われるかと思います。
そのような場合にはセカンドオピニオンを受けて、むち打ちの症状がある事を証明する必要があるのですが、受診する科を誤ってしまう方がいます。
交通事故でむち打ちを負った場合は、はじめに外科か整形外科を診療されます。
交通事故直後に外科や整形外科で診察するのは正解で、頸椎に骨折やヒビがあったり、ねじれていたりした場合には、外科的な処置が必要になるからです。
しかし、原因が分からず長期にわたりむち打ちが続く場合、セカンドオピニオンは脳神経内科を受診すると原因が分かるケースがあります。
長引くむち打ちには脳神経内科
通常の病気やけがのセカンドオピニオンの場合、前に診てもらっていた診察科と同じ科を受診される事が多いです。
長期にわたりむち打ちが続く場合、頸椎や脊髄の損傷などのCTやMRIなどの画像で確認できるものが原因ではないということなので、整形外科からのアプローチではなく、脳神経内科からのアプローチが有効の場合があります。
脳神経内科は脳や脊髄・神経・筋肉の病気によって体が不自由になる病気を診察する診療科で、身近な例では「痛風で足が痛いのだけど、痛風自体はひどくないのに、こんなに痛いのはおかしい。」という様な場合に、診察を受けたりします。
むち打ちの痛みや違和感の原因が神経伝達の異常であった場合、外科的な検査では異常が見つけられません。
脳神経内科で行われる反射テストなどが神経伝達に異常があるかの判断に有効であり、医師により異常が認められた場合、継続した治療が必要として保険会社側に抗弁することができます。
そのため、『整形外科で検査しつくしたのにむち打ちが治らず原因が分からない』といったケースのセカンドオピニオンの場合、脳神経外科にかかる方が有効であることがあります。
「セカンドオピニオンは大げさだしな…。」という様な場合で、総合病院に通院しているのならば、同じ病院の脳神経内科に変えてもらうことも有効なので、担当医師に相談してみるのもよいでしょう。
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むち打ちで後遺障害等級が認定されるためには、医師の診断書が重要になる。弁護士に依頼すれば、書類作成や医師との相談においても対応可能である。
むち打ちは、自分の健康保険を使って治療することができる。特に、被害者の過失割合が大きい場合は、健康保険による治療により、受け取る保険金が増えることがある。
むち打ちとなった場合の後遺障害認定は、保険会社に代行することができるが、被害者が自分で自賠責保険に申請書類を提出することも可能である。
交通事故によるむち打ちは、すぐには痛みを感じず受診を後回しにするケースがあるが、健康面のリスクだけでなく、いざというときに交通事故と症状の因果関係を証明できるようすぐに受診しておくべきである。
交通事故によりむち打ちとなった場合、むち打ちの症状は最もポピュラーな頸椎捻挫型を含め、原因と症状に合わせて5つに分類され、それぞれに受診先が異なる。