交通事故でのむち打ちによる休業損害の請求はできる?
むち打ちは人によって症状が大きく異なり、首に違和感を感じる程度のものから、手足にしびれを伴うものなど様々です。
重篤な症状であるケースが少ないため、むち打ちというとどこか軽く見られる事があるものの、中には仕事を休まなければならないほどの症状が起こることもあります。
頸部の強い痛みや手足のしびれ、吐き気などを伴っている以上、普段通りに従事できない場合も十分に考えられます。
そのため、むち打ちとはいえ、仕事を休むのは仕方がない場合があるのです。
大切なのはむち打ちが理由であっても、本当に仕事を休む必要があるのか正当性を伝えることです。
例えば、入院中であれば休業の必要性はまず認められますが、むち打ちの場合には入院が求められる例は少なく、そうなると休業期間に影響がでます。
むち打ちを受傷してから1週間、そのほか通院する日に関しては休業の必要性が認められやすいですし、あるいは通院を理由とする遅刻や早退も、休業損害として請求できるケースがあります。
休業損害はどのように計算される?
むち打ちにより請求できる休業損害の計算は、自賠責基準や裁判所基準、さらにサラリーマンか自営業者などによって異なってきます。
例えば自賠責基準の場合、会社が証明する休業損害証明書により、仮に有給休暇を使用した場合においても、休業日数として算出できます。
請求できる休業損害の算出方法は、交通事故に遭う前の3ヶ月間の給与を90日で割った額、あるいは5,700円で、いずれか高い額と休業日数をかける事で出されます。
自営業者の場合、治療を受けた日数が休業日数として数えられます。
もし収入を証明するのが難しい場合には、職業証明書を提出すると、日額5,700円が支払われます。
また、日額が5,700円を上回るケースにおいては、前年度の所得証明書にて、年間の収入から経費を引き、365日で割った金額が支払われます。
勤め人ではない家事従事者の場合、治療を受けた日が休業日数として数えられ、1日あたり5,700円が支払われます。
自賠責基準ではなく弁護士基準の場合は、年収を365日で割り1日あたりの収入を算出し、土日祝日の日数を引かない休業した日数をかける計算があります。
また、交通事故に遭う前の3ヶ月の収入を90日で割り、1日当たりの収入を計算する方法があります。
交通事故の怪我で休業した時の損害は、決して小さなものではありません。
収入が高い人ほど、その負担は大きくなっていきますので、しっかり請求されることをおすすめします。
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むち打ちは、保険会社が認める休業補償期間が2週間程度と短いことが多く、症状が重くて休業する場合には、医師の診断書が重要となる。
交通事故でむち打ちになった時、場合によっては休業損害を加害者へ請求する事が可能である。仮に請求する場合には、保証してもらうための必要書類を用意する必要がある。
むち打ちを完治まで治療を続けると治療費が増えるので、治療を終えるまでは損害賠償請求ができない。そのため、完治するまで治療を続けるか、後遺障害の認定申請を検討するべきか、医師と相談する方が良い。
交通事故で怪我をした直後は自律神経の中の交感神経が活発に働いていて痛みを感じにくいため、むち打ちは症状を感じにくいと考えられている。
むち打ちは交通事故の後遺症の中でもよくみられる症状の一つである。軽い症状である事が多いものの、場合によっては後遺障害等級の認定を受けられる可能性がある。