むち打ちによる神経症状を後遺障害と認めてもらうためには
むち打ちが後遺障害と認定されるには、下記のいずれかの条件に当てはまるとみなされる必要があります。
・局部に頑固な神経症状を残すもの(後遺障害等級第12級)
・局部に神経症状を残すもの(後遺障害等級第14級)
神経症状とは、精神的に痛みを感じるという意味ではありません。
自賠責保険の後遺障害等級表では、神経に物理的な損傷が生じて、神経の不調に由来する症状があることを、神経症状と表現しています。
むち打ちが原因の神経症状は頭痛や吐き気、めまい、局部に感じるしびれ、体のだるさ、倦怠感、不眠、抑うつなど、非常に種類が多いのが特徴です。
神経症状は、神経あるいはその周辺に物理的な損傷が生じたことに起因する病状です。
一方、人間の体は病気でなくても、ストレスなどのシグナルを受けると精神的に不快になります。
病気ではないのに不快になるのは、主として自律神経の働きに由来します。
自律神経は、人間の意思とはかかわりなく、生存のために常に働いている神経で、交感神経と副交感神経の2種類があります。
気のせいでは済まされない神経症状
交感神経は行動的な神経、副交感神経は抑制的な神経です。
交通事故でむち打ちになるという体験は、体にとって非常に大きなストレスであり、自律神経のうち、副交感神経は活動を抑えて安静にすることでストレスを軽減しようとします。
活動が抑制されれば精神活動は低下し、気が滅入ったり、体のだるさを感じたりするようになります。
このように、神経の損傷とはかかわりなく、メンタルが原因でむち打ちに伴っていろいろな症状が発現することがあるのです。
むち打ちが後遺障害として認定されにくい原因の一つとして、神経症状を証明するにあたって、本人が主張する自覚症状のみで、客観的な証拠に乏しいことが挙げられます。
後遺障害等級の認定は、西洋医学に基づいて行われますから、主観的な申し出は退けられてしまいます。
交通事故でむち打ちを発症する一方、事故に遭ったショックで精神的に不安定になり、心療内科や精神科に通院して治療を受けた場合も、むち打ちを後遺障害として認定してもらうことがむずかしくなります。
前述のように、むち打ちは神経およびその周辺組織の損傷に由来する怪我なので、精神的な病状がむち打ちに由来すると主張しても、退けられてしまうからです。
むち打ちの後遺障害を認めてもらうためには、受診する診療科目に留意するべきです。
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交通事故により負ったむち打ちを後遺障害と認めてもらうためには、医師の助言のもとに定期的に通院治療をしつつ、怪我と治療に関する記録を残しておくと良い。
むち打ちを簡単に後遺障害認定してもらうことは難しいが、積極的に通院して、事故の直後と最近の画像診断を用意するなどすれば、後遺障害を認められる可能性が高くなる。
むち打ちでも医師からの後遺障害である旨の診断書があると、後遺障害として認定されるケースがあるが、治療頻度や治療期間などいくつかのハードルがあるため、弁護士からアドバイスを受ける方が良い。
むち打ちは軽い症状と見られがちだが、後遺障害等級の認定が下りる可能性はある。後遺障害等級認定に必要な書類を用意し、ポイントを抑える事が大事である。
一般的なむち打ちの治療は、湿布や鎮痛剤の投薬や頸椎の牽引などがあるが、むち打ちの種類によっては手術や特殊な治療が行われる。