死亡事故における加害者に対する処罰について
人の命を殺めれば、殺人罪として重い罪に問われます。
しかし、交通事故により人の命を奪った場合は、故意に殺そうとして人を轢いたのでない限り、刑法211条による業務上過失致死傷罪、または刑法208条による危険運転致死傷に問われることになります。
危険運転致死傷罪は、平成25年に制定された「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」により、刑法208条に独立して規定されることとなりました。
これにより、危険運転致死傷罪の立証に対するハードルが緩和されました。
死亡事故において自動車運転致死傷行為に対する処罰の最高刑は懲役20年で、酒や薬物が原因で正常な運転が困難なために事故を起こした場合に適用され、無免許で同罪に問われた場合も最高刑は同じく懲役20年です。
危険運転致死傷罪において、酒や薬物、特定の病気が原因で正常な運転に支障がでる恐れがある場合の最高刑は懲役15年（無免許の場合は懲役20年）です。
特定の病気は、政令によりてんかんなどの病名が定められています。
死亡事故で加害者が受ける処罰はどんなもの？
死亡事故の加害者に対する処罰は、複数にわたる場合があります。
例えば、発覚免脱罪といって、事故を起こした時に酒を飲んでいたのでいったん現場を離れ、酒気がなくなってから現場に戻ったようなケースを言います。
発覚免脱罪の加害者が現場に戻らずに、ひき逃げ犯となることもあります。
このようなケースで加害者が捕まった場合の最高刑は、発覚免脱罪の12年とひき逃げの刑罰6年が併合された懲役18年です。
法律の改正により、悪質な自動車運転をした加害者には、より重い刑罰が課されるようになったのです。
また死亡事故の遺族の心情として、刑法による処罰だけでは軽すぎる、もっと重い罰を下したいと思うのは自然なことです。
しかし、日本の法律では、前述の刑罰が最高刑であり、死亡事故の加害者にそれ以上の制裁を加えたい場合は他の方法を考えなければなりません。
交通事故の加害者は、上記の刑事上の責任のほかに、行政上の責任と民事上の責任が問われます。
行政上の責任とは、免許の取り消しや停止で、運転を生業にしている人にとっては死活問題といえますが、死亡事故の遺族としては、免許取り消し処分だけでは納得がいかないでしょう。
そこで、死亡事故の遺族は加害者の民事上の責任を問うことになります。
民事上の責任とは、不法行為責任による損害賠償責任で、交通事故の内容によっては使用責任や運行供用者責任が問われることもあります。
いずれも罪状の根拠となるのは民法です。
家族が死亡事故に遭った際には、そういった手続きを行ってもらうためにも、まずは弁護士にご相談ください。
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死亡事故の加害者は刑事上の責任が問われ、最高刑で懲役20年の処罰が科せられる他、免許取り消しなどの行政上の責任と民事上の責任が問われる。
死亡事故の加害者側に弁護士がついた場合には、被害者遺族からすると「口達者な弁護士に押し切られる」といったケースに陥りがちなので、早急に弁護士に相談をして、対応策を考えた方が良い。
家族が死亡事故に遭った場合、遺族は刑事裁判の手続きに参加して、検察官の隣りもしくはそばに座り、証言をしたり被告人に質問することが可能である。
死亡事故の遺族が加害者の減刑嘆願をする場合、結審までに示談を終わらせている方が良いが、示談内容に不安があるのならば、弁護士に依頼して示談をすすめてもらうとよい。
死亡事故に遭った被害者の遺族への対応によって、加害者の刑罰の軽重が変わる事があるので、弁護士に相談をして対応をどうするか考えた方が良い。
