死亡事故の加害者は逮捕された後、どのように扱われるの?
死亡事故は重大事故なので、加害者は逮捕され拘留されます。
加害者が怪我をしており、入院、治療中の場合は、事故現場で逮捕せずに入院させます。
その後、拘留に堪えうると判断される程度に回復した時点で犯人を逮捕します。
拘留とは、逮捕者が新たな犯罪を犯したり逃亡を企てたりすることを防ぐために拘留施設に閉じ込めて身柄を拘束しますが、拘留されないこともあります。
逮捕後72時間以内に、検察官によって拘留が必要かどうかの判断が下されます。
逮捕直後から拘留が行われるかどうかを決定するまでの間は、証拠作成や現場検証など、事故に関する重要な取り調べが行われる期間です。
死亡事故の犯人が証拠隠滅などを企てないよう、拘留するかどうかを決定するまでの期間は、基本的に加害者の弁護士しか面会することができません。
事故直後の現場検証や取り調べなど重要な期間となるため、犯人と面会できるのは、基本的には弁護士のみとなっているのです。
加害者が罪を認めない場合は、10日間から最長で20日間拘留期間が延長されるので、加害者は、最長で事件発生から23日間拘留されることになります。
加害者に厳罰?それとも働いて賠償金を稼いでほしい?
死亡事故の犯人が逮捕された後、厳罰を求めるのは、被害者遺族のごく自然な心情です。
その一方、厳罰を科した結果、長い間刑務所に入り、ごくわずかな収入しか得られなければ、損害賠償する能力を失ってしまうという問題が生じます。
そのため、加害者に重い刑罰を科したくないと考える被害者もいます。
刑務所内で服役者が得ることができる金銭を作業報奨金と言います。
作業報奨金は、1日あたり数十円から数百円なので、長期間服役しても、貯めることができるお金はわずかです。
死亡事故の加害者が、逮捕前に主だった財産を所有しておらず、任意自動車保険に加入していない場合、損害を賠償する能力がないので、刑務所にいるかぎり損害賠償は不可能ということです。
そのため、長期刑で刑務所に入るより、社会に復帰して働いたお金で賠償金を払ってほしいと考える遺族もいます。
加害者が刑罰の軽減を求めるのは人間の自然な心情ですが、減刑の条件として重要視されるのは、被害者との和解です。
加害者に反省の姿勢が見られず、被害者に対する誠意がないと裁判官が判断すれば、減刑は不可能です。
加害者の態度に十分な反省の姿勢があるかどうかを判断するポイントが、被害者との和解です。
加害者と和解するかどうか迷っている死亡事故被害者の遺族は、弁護士にご相談ください。
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死亡事故で逮捕されると、取り調べと送検を受けて最短で3日、最長で23日以内に不起訴か起訴かが決まる。起訴されれば裁判を経て量刑が決まる。
死亡事故の加害者は、事故発生後に逮捕される。最長23日間拘留され、その後、起訴するか不起訴か検察が判断する。加害者の減刑は、被害者との和解が重要視される。
死亡事故でも加害者が刑務所に行くとは限らない理由には、死亡事故が偶発的に起きて加害者に殺意の意思がないことが、法的に大きな理由になる。
保険会社が提示する損害賠償金額は、自賠責基準とほとんど差がない。死亡事故の場合の自賠責基準と弁護士基準について見てみると基準額の決め方が異なり、数百~一千万円以上の差が出る可能性がある。
交通死亡事故でひき逃げや飲酒運転、証拠隠滅など加害者に悪質な事由がある場合、慰謝料が増額された判例がある。賠償金額が大きく違ってくる可能性があり、交通死亡事故に強い弁護士へ相談すべきである。