死亡事故の示談交渉をスムーズに進めるために必要な書類は?
家計の大黒柱である夫の死亡事故の場合、死亡事故の遺族の生活が困窮して示談を急いでしたために、低すぎる損害賠償額しか手に入らないというような、死亡事故の遺族に不利なケースが多々見られます。
そのため、示談交渉は念入りにした方が良いですが、示談がすすみ、後は関係書類待ちの状況で支払いが遅れるということを避けるためにも、事前に必要書類を知って取り寄せておくと、スムーズに支払いまで進みます。
死亡事故の示談で必要な書類とは?
一番初めに必要かつ重要なのは、「交通事故証明」です。
自賠責保険や加害者の保険会社に保険金を請求する際には、絶対に必要となります。
また、加入している生命保険によっては、交通事故などの不慮の事故の場合には保険金が増額するものもありますので、その場合には交通事故証明が必要となります。
死亡事故の場合、加害者への損害賠償請求は死亡事故の遺族が行うことになります。
損害賠償請求権の確認のために、死亡事故の被害者の戸籍である除籍謄本と、法定相続人全員の戸籍謄本が必要になります。
死亡事故で加害者の保険会社が介入している場合に、自賠責保険の手続きを保険会社任せにして保険金の受け取りが示談後ということがありますが、自賠責保険は被害者(死亡事故の場合は被害者の遺族)が直接行うことができ、その際には比較的早期に保険金が支払われます。
これを自賠責保険の被害者請求と言いますが、被害者請求では上記の2つの書類は必ず必要になりますので、先に用意しておいてもよいでしょう。
また、交通事故から死亡するまでの間に入院していた場合には、入院証明を病院から発行してもらう必要があります。
その間の入院慰謝料や休業補償の証明に必要となります。
入院期間中の治療費や入院費を死亡事故の遺族が支払った場合には、治療費・入院費に関しても加害者側に請求することができるため、領収書は紛失しないようにしましょう。
休業補償や被害者の死亡以後の逸失利益の計算には、死亡事故の被害者の収入を証明するための書類が必要となります。
サラリーマンなどの給与所得者の場合には、会社が発行する「給与証明書」か「源泉徴収書」がそれに当たります。
自営業者の場合には、前年度の「確定申告書」や「納税証明書」を証明書類とします。
専業主婦や就職活動中の者などは、賃金センサスに基づく性別や年齢などの区分表から算出することになります。
葬儀費用も請求できるために、葬儀会社の見積書及び領収書を合わせて保管しておいた方が良いでしょう。
保険会社によっては葬儀費用に関係なく一律金額の支払いのところもありますが、「葬儀費用を支払った」という証明になるため、葬儀費用の多寡に関わらず領収書は保管しておきましょう。
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子どもが死亡事故に遭った場合、最終学歴で逸失利益が大きく変わってくるため、遺族と加害者側で将来的な進学状況について争われることがある。
死亡事故の示談交渉の時に弁護士費用特約は必ず利用できるとは限らず、死亡事故のように保険金が高額の場合には弁護士費用が弁護士費用特約で賄いきれないこともある。
死亡事故で弁護士を雇う利点は、公的な手続きを代行してもらえる、加害者側の交渉を任せられるので直接会わずに済む、保険会社と交渉して保険金の増額が望めるなどがある。
死亡事故の示談をした後は、ほぼ示談を取り消すことができないため、問題がある相手ならば、示談交渉をする際は弁護士に任せた方が良い。
高齢者の死亡事故の場合、被害者が年金生活か、給与所得者か、無年金者なのかで逸失利益の計算が大幅に変わってくる。