タクシーとの事故。タクシー会社に補償をしてもらえる?
【質問】
赤信号を無視したタクシーと、交差点内で交通事故を起こしました。
すぐに警察が来て事故の検分をしてくれたのですが、タクシーと私の自動車双方にドラレコがついており、さらには交差点にあるコンビニの防犯カメラに事故の瞬間がばっちり記録されていました。
そのためタクシーの運転手が、「自動車の修理代も治療費もすべて出しますので、人身事故扱いにしないでください。」と泣きついてきましたが、後で後遺症が出ては大変なので人身事故にし、自分の保険会社にも連絡しました。
2日後に加害者と連絡がつかないと保険会社から連絡が来たため、加害者が勤めていたタクシー会社に電話したところ、交通事故を起こした翌日から行方不明になっているそうです。
タクシー会社の方も、タクシーの修理代を請求するために探しているようですが見つかっていないようです。
もしこのまま加害者が見つからなかったらと思うと困ったことになるので、タクシー会社に従業員の事故の補償と言う事で支払ってもらいたいと思っているのですが、可能でしょうか?
【回答】
タクシー会社や運送会社は自動車で事業を行っているため、自動車保険に加入していることがほとんどというよりも、必須とも言えます。
個人経営の会社ならばいざ知らず、ある程度の規模の会社であれば社有車に自動車保険がかかっています。
そのため、タクシー会社のタクシーと自動車事故を起こした場合には、タクシー会社が加入している自動車保険の損害保険会社と交渉することになるのですが、実際は保険を使うことを嫌う傾向があります。
人身事故を起こしてしまうと、タクシーの運転のために必要な2種免許の免停が避けられないため、物損事故、もしくは事故はなかったことにしたがります。
質問者も言われたような「修理費も治療費も支払う」と言う言葉の裏には、こういったわけが隠されています。
また、個人の契約と同じく法人の契約であっても、交通事故で保険を使用すると等級が下がるため保険料が上がるため、会社自体が保険を使いたがらなかったり、会社での評価を落とさないように運転手が単独の考えから保険の使用を拒むことがあります。
しかし、タクシー会社には運行供用者責任があるため、運転者と同等の責任を負うことが多く、保険会社を使用しないことを理由に被害者の損害補償をしないことは許されません。
反対に被害者からすれば、保険会社であってもタクシー会社であっても、治療費や修理代などがきちんと支払われれば問題がないため、やはりタクシー会社に補償の支払いの確約をもらう必要があります。
それでも、タクシー会社が交渉を拒否する場合には、弁護士に相談をして、弁護士からタクシー会社に交渉をしてもらうようにした方が良いでしょう。
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交通事故の被害者が交通事故以外の原因で死亡した場合には、加害者は死亡日までを補償すればよい。
交通事故に遭い、加害者の車が自賠責保険未加入で任意保険もない場合、同居する家族の保険で賠償できることがある。次の手段として本人に直接請求し、これが無理なら国による保障を利用する。
加害者の持病が原因で起こった交通事故の場合でも、加害者に責任能力を問うことができる可能性が非常に高く、損害賠償請求もできる可能性が高い。
交通事故によって会社の売り上げが減ったり違約金が発生したりと言った実損が出た場合、相手側に対して損害賠償請求をする事ができる。
盗難車によるひき逃げの場合は、自動車の所有者に運行供用者責任から損害賠償請求ができるが、ハードルが高いため、政府保障機関に請求するのが現実的である。