弁護士によって算出された保険金額が違うのはなぜですか?
【質問】
出勤途中の横断歩道を歩行中に、左折してきた自動車と衝突し、右腕と右足を骨折しました。
2カ月入院しましたが、退院して1カ月経っても右腕にしびれが残っていて、現在も会社帰りに週2回通院しています。
先日、加害者の保険会社から症状固定と示談を打診されたのですが、私が思っていたような補償内容と金額ではなかったため、保留にしています。
インターネットで見つけた弁護士事務所3件に、相談をしてみたところ、どこも保険会社が提示した示談の保険金額よりもアップしてはいたのですが、200万円・350万円・580万円とバラバラの回答でした。
無料相談の簡単な説明でしたので、ある程度ばらつきがあるのは仕方がないのですが、これだけ差があることに疑問があります。
一番高い保険金額を言っている弁護士事務所に、依頼するのが一番いいのでしょうか?
【回答】
交通事故の示談で一番の問題となるのが、保険金額です。
交通事故の保険金は交渉次第で上下することが多いため、一般の方からすると分かりにくかったり、不透明であったりします。
そのため、相談をした弁護士によって保険金の金額が変わると言うのもあり得る話です。
なぜこのようなことが起こるのか、ケースごとに説明します。
1.弁護士が交通事故の案件に慣れていない
「離婚問題に強い」「借金問題を多く解決している」など弁護士も得意分野があり、交通事故の案件に精通している弁護士の方が、より正確に保険金額の算出ができます。
不慣れな弁護士だと、交通事故で壊れてしまった腕時計や破れてしまった服などは請求できたりするのに、補償の範囲をわかっておらずその分の請求漏れが起こり、保険金が下がると言う事があります。
2.請求する保険会社と友好関係にある
依頼する側からは分かりませんが、保険会社とつながりがある弁護士もいます。
保険会社に顧客から「弁護士を雇いたいのだけど」と相談をした際に、弁護士を紹介されることがあるのですが、そういった弁護士がまさしくそうです。
そのような弁護士からすると、保険会社は「定期的に顧客を紹介してくれるお得意様」となるので、依頼主よりも保険会社に有利になりように取り計らい、請求する保険金額を抑える傾向があります。
3.弁護士報酬目的で高額な保険金額を提示
一番厄介なのが、このケースです。
依頼を受けるのを目的に高額な保険金額を依頼主に提示し、「こんなに保険金がもらえるの?!」と、依頼主も保険金額だけ依頼をしてしまいます。
しかし、実際は示談が極めて難しい・不可能な金額で、結局は他の弁護士が提示した金額に落ち着いたり、ひどい場合には裁判となり長期化した上に敗訴と言うケースもあります。
こういった弁護士は、依頼を受ければ手付金や弁護士報酬がもらえるため、保険会社との交渉がうまく行くかどうかに関心がないことが多く、トラブルが起こりやすいと言えます。
弁護士に依頼する際には、算出された保険金額だけでなく、その内容を吟味した方が良いでしょう。
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保険会社から交通事故の治療の打ち切りを言われたのですが・・・
保険会社から交通事故の治療費の打ち切りを言われた際でも、医師が治療が必要と判断をした場合には、週1回以上の通院を続ける方が良い。
治療を続けても現状以上の回復が認められない状態をさし、交通事故で症状固定をしてしまうと治療費は支払われないが、 症状固定の状態の後遺症に対する損害賠償金が支払われることになる。