交通事故で顔に傷が残りました。後遺障害として認められる?
【質問】
横断歩道を歩行中に、自動車にはねられる交通事故に遭いました。
かなりのスピードで自動車が突っ込んで来たため、自動車にはねられて街路樹に顔をぶつけ頬の裂傷と頬骨を骨折しました。
怪我をした場所が顔であったので、整形外科での治療を受けたのですが、顔に負った傷は完全には治らず、頬骨は陥没して傷跡が残ってしまいました。
加害者の保険会社は治療費は支払ってくれていますが、顔の傷に関しては「男性ならば多少の顔の怪我ならば、日常生活に支障がない」と言う意見です。
ですが、私としては骨折したことによる左右のアンバランスに加え、目立った傷跡が嫌で仕方がありません。
以前に女性は顔に傷がつくと慰謝料がもらえるのに、男性だともらえないと聞いたことがあります。
本当に男性は交通事故で顔に負った傷に対して、慰謝料や後遺障害の認定をもらうことはできないのでしょうか?
【回答】
「男なら、顔に傷がついていても気にするな」、こんなフレーズを聞いたことはないでしょうか?
以前は顔の傷に関して男女差別があり、女性の方がより重い後遺障害認定となっていました。
ですが、男女平等の観点から2011年に、顔の傷に対する後遺障害認定の基準が変わりました。
外貌に著しい醜状を残すもので7級、外貌に相当程度の醜状を残すものが9級、外貌に醜状を残すものは14級の後遺障害が認められます。
そのため、質問者の場合は9級か14級の後遺症認定が認められると思われるため、保険会社の主張は虚偽に近いと言えます。
男性でも交通事故による顔の傷で、後遺障害認定を受けることができますので、申請をした方が良いでしょう。
後遺障害認定を受けられた場合には、後遺障害に対する逸失利益と慰謝料を請求することができます。
自賠責基準で逸失利益と慰謝料を合わせた最高額が、14級で75万円、9級で616万円、7級で1051万円となります。
顔の傷に関して医師に後遺障害認定の診断書を書いてもらうと良いのですが、まれに2010年以前の後遺障害認定の基準と混同していたり、先述の「男性の顔の傷は後遺障害に当たらない」と考える医師がいます。
そのような場合には、現在の後遺障害認定基準に照らし合わせた診断書を発行してもらえるように、医師に伝える必要があります。
自賠責基準でこれだけの慰謝料の支給があるため、弁護士が交通事故の示談交渉をすればさらに慰謝料のアップが望めます。
ですので、後遺障害認定の申請と併せて弁護士に依頼すると良いと思われます。
この記事を読まれた方にオススメの情報5選
交通事故の示談後に被害者が死亡した場合でも、逸失利益などの返金を加害者側にする必要はない。
交通事故の加害者に、誠意ある謝罪をされないと、被害者の心は癒されない。その場合には、少しでも多くの慰謝料を請求するよう対応するのが、納得いく結果を得るためには必要だと考えられる。
交通事故の怪我は、場合によって医師に信用してもらえない場合がある。むち打ちがその例で、信用してもらえないと通院慰謝料をもらえない。状況に応じて、弁護士に相談すると良い。
交通事故における示談交渉は、当事者同士でやりとりする分には問題無い。しかし、交通事故そのものには警察への通報義務が定められているため、必ず連絡する事が求められる。
交通事故の示談を加害者と直接した場合には、保険会社から保険金が支払われなくなるため、直接の示談はしない方がいい。