後遺障害診断書の作成で賠償額がアップした事例
事例提供:よつば総合法律事務所
【事例】
大倉裕美子様(仮名・40歳代・千葉県柏市在住・兼業主婦)が車に乗車中、後ろから加害者の車が衝突してきたため負傷しました。事故により、頚椎捻挫、腰椎捻挫、背部捻挫の傷害を負ったところ、約65回の整形外科への通院を継続しました。通院期間は8か月です。事故後早い段階でご依頼をいただいていましたので、当事務所で資料を検討し、以下の異常があれば医師に記載をしたいたくようお願いをしました。
(1)頚部
・MRIでの異常
・腱反射の異常
・スパーリングテストでの異常
・ジャクソンテストでの異常
・筋力検査での異常
・握力の減少
・筋萎縮があれば筋萎縮
・その他
(2)腰部
・MRIでの異常
・腱反射での異常
・筋萎縮での異常
・ラセーグテストでの異常
・SLRテストでの異常
・FNSテストでの異常
・筋力検査での異常
・その他
(3)その他の箇所
何らかの異常があれば異常の記載をご依頼しました。
後遺障害診断書を整形外科医に無事作成していただいた上、後遺障害申請をしたところ、頸部捻挫後の頚部痛、頚部~右肩がだるい、両手のシビレ、むくみにつき14級9号、腰部捻挫後の腰痛につき14級9号の併合14級が認定されました。
後遺障害等級認定後、保険会社との交渉を継続した結果、既払い金を含めて447万円を受領する合意を約2カ月でにすることができました。
【弁護士からのアドバイス】
記事提供者:よつば総合法律事務所
■症状固定前・後遺障害診断書作成前の弁護士へのご相談
後遺障害診断書が一度作成されると、その記載内容を前提とした判断がなされます。後遺障害診断書の修正・加筆等はとてもハードルが高いので、後遺障害診断書作成前に弁護士へご相談の上、後遺障害認定の可能性の有無の検討や、認定がされる可能性を高める方法を検討する必要があります。今回の場合、後遺障害診断書作成前のご相談でしたので、この点を十分に検討することができました。
■医師との信頼関係の構築
今回の被害者が通院していた整形外科の医師は、以前にも別件で後遺障害診断書を作成したことがある医師でした。以前にも面識がある医師ですと、後遺障害診断書の作成をお願いしやすくなりますし、また、被害の実態に応じた適切な記載をしていただける確率も高まります。地元の医療機関の情報は地元の交通事故に詳しい弁護士が知っていますので、地元の弁護士に相談するメリットは大きいです。
■早期解決
自営業を行っている兼業主婦のご相談でしたので、休業損害や逸失利益が争点となりました。確定申告書の内容等を丁寧に分析し、裁判での基準と同額の基準と思われる水準の保険金での解決を約2ヶ月ですることができました。