後遺障害等級併合4級・60代男性・事故発生地熊本市北区につき、合計約2610万円の損害額の認定を得て示談解決できた事例
事例提供:いなば法律事務所
【事例】
被害者:60代男性
事故発生地:熊本市北区
《傷害内容》
① 脳挫傷、外傷性くも膜下出血、びまん性軸索損傷
② 椎体骨骨折
など
《後遺障害等級認定申請→併合4級の後遺障害等級を獲得》
①の傷害について、高次脳機能障害などが残りました。
「頭部外傷後の意識障害についての所見」では、初診時GCS14と「軽症意識障害」でしたが、2週間以上、意識障害が持続した事案です。
事故後は、物ごとを整理して順序立てて考え、計画を立てて実行することが出来なくなった等の症状が残りました。
稲葉弁護士にて、後遺障害診断書に加え、「頭部外傷後の意識障害についての所見」「神経系統の障害に関する医学的意見」などの医証、「日常生活状況報告」、陳述書などを取付け、弁護士意見書を付して、自賠責損害調査事務所に後遺障害等級認定申請をしました。
その結果、「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの」として5級2号の後遺障害等級を獲得しました。
②の傷害についても、対応する椎体骨骨折があり、顔面麻痺が残っていること、現在も口がゆがんでいることなどを指摘した結果、「外貌に醜状を残すもの」として12級14号の後遺障害等級が認定されました。
あわせて、併合4級の後遺障害等級となります。
《保険会社との示談交渉・解決》
自賠責分として1798万円を先行回収した後、稲葉弁護士にて、相手方の任意保険会社と示談交渉をしました。
逸失利益があまり見込めない事案でしたが、交渉の結果、当方の要求額にほぼ近い形での損害額の認定を受け、新たに約780万円の支払を受ける形で示談解決できました。
最終的な回収額は、約2580万円となります。
【弁護士からのアドバイス】
記事提供者:いなば法律事務所
ご依頼当初に、ご家族が仰っておられたご本人様の症状をそのまま自賠責損害調査事務所に提出するのではなく、脳機能にいかに問題が生じているのかが浮き彫りになるように、いろいろと角度を変えて、ご家族から丹念に聴き取りをさせて頂いたことが、等級認定にあたり大きかったと思います。
後遺障害等級認定がされた事例を踏まえて、いろいろな面から、詳しく聴き取りをすることで、脳機能に障害が生じていることが、より鮮明になったと考えております。
相手方の任意保険会社との交渉では、書証を示して、こまめな立証を心がけたことが、当方の要求額にほぼ近い形での示談解決につながったものと考えております。
相手方保険会社や担当者によっては、交渉では話にならず、訴訟提起がやむを得ない場合もありますが、示談交渉でもきちんとした解決ができる場合や、むしろ有利な解決ができる場合もありますので、そのあたりの方針選択の見極めが重要と考えております。