交通事故の加害者が治療費などを支払ってくれない場合には?
【福島県白河市の方からのご質問】
1か月前に白河市内の繁華街で交通事故に遭ったのですが、加害者が治療費などを支払ってくれずに困っています。
加害者は白河市内の会社員でしたが、飲酒運転での交通事故を起こしたため、会社をクビになったらしいです。
何回か治療費の件で連絡を取ってはいるのですが、飲酒運転の罰金と会社をクビになったことで生活すらままならないようで、「飲酒運転だったから自動車保険も使えないし、今住んでいる白河市のアパート代も払えないのに治療費の12万円を支払うことが出来ない」と言われています。
「交通事故に遭っても、相手にお金がなければ支払ってもらえず、被害者の方が泣き寝入りするしかない」というのをよく聞くため、私もそうなってしまうのではないかと心配です。
弁護士に相談しても治療費が回収できないだけでなく、弁護士費用も支払わなければならないとなると完全に赤字となるため、弁護士に頼むのもかなり悩んでいます。
【弁護士からのアドバイス】
交通事故に遭われること自体不運なのですが、加害者が自動車保険に加入しておらず、しかも加害者に経済的な余裕もないため、交通事故の被害者や被害者遺族が十分な補償を受けられないという更なる不幸が重なるケースも少なからずあります。
交通事故の被害者の場合には、自動車に付帯している自賠責保険から治療費等の支払いがされるため、加害者が支払いをしてくれない場合には被害者請求という形で直接請求することが出来ます。
「飲酒運転の場合、自動車保険を使えない」と言われますが、半分が正解で半分が間違いです。
飲酒運転による交通事故の場合、運転手に対する治療費や乗っていた自動車の修理費用などの補償はありませんが、被害者に対しては保険会社からの補償があります。
これは被害者救済という考えによるもので、今回の白河市の質問者様の場合は「加害者が交通事故で負った怪我の治療費などは保険会社から出ないが、質問者様は保険会社から治療費が出る」ということになります。
保険会社に請求する際には治療費だけでなく、通院にかかる交通費や入院慰謝料、会社を休んだ分の休業補償なども併せて請求ができるため、一度弁護士に相談をしてみましょう。
特に質問者様自身が弁護士費用特約が付いた自動車保険に加入している場合には、そちらの保険会社から弁護士費用が支払われ、実質的には無料で弁護士に依頼することもできるため、自動車保険に加入しているのならば、弁護士費用特約が付いているか確認してみましょう。
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