交通事故の加害者が死亡の場合は、誰に損害賠償請求すれば良い?
【福島県福島市の方からのご質問】
先日、福島市内の県道の横断歩道を歩行中に、信号無視をした自動車にはねられ、骨折する大怪我を負いました。
私は交通事故現場から、救急車で福島市内の救急病院に搬送されたため、加害車両の運転手の事がよくわかっていないのですが、交通事故の調書を取りに来た警察の話からすると、加害者は福島市内の会社員で、私を轢いた後ハンドル操作を誤り、電信柱に激突して即死したそうです。
私の骨折は軽いものではなく、骨折の治療とリハビリで半年以上かかると医師には言われており、場合によっては後遺症が残るかもと言われています。
入院代だけでも膨大な金額がかかってくるのに、後遺症で仕事に支障が出たらと思うと、不安で仕方がありません。
しかも、加害者が亡くなっているため、治療費などを請求することが出来ないのではないかと2重に不安があるのですが、どうしたらよいのでしょうか?
【弁護士からのアドバイス】
自動車には自賠責保険の加入を義務付けられているため、交通事故の被害者は自賠責保険に治療費などを請求することが出来ます。
しかし、自賠責保険は治療費などの上限が120万円で、死亡保険金の上限も3000万円と、実際の損害を補償するのに足りないケースが多々あります。
オーバーした分に関しては加害者が損害賠償の支払い義務を負いますが、加害者が亡くなっている場合には、その相続人が支払い義務を負うことになります。
今回のケースで死亡した加害者に配偶者や子がいた場合には、そちらに請求することになります。
加害者の相続人が相続放棄をした場合には、加害者の遺産の中から支払われることになりますが、もしそれだけの遺産がない場合には、交通事故の被害者でも請求することが出来ません。
しかし、加害車両が自動車保険に入っていた場合は別になります。
自動車保険は交通事故で加害者が亡くなっていても、「保険加入の自動車が起こした交通事故を補償する」というものがほとんどですので、自動車保険会社に請求することが出来ます。
弁護士へ相談に来られる方の中にも、「加害者が亡くなってしまって、治療費などの支払いを遺族が拒んでいる」といったケースで、弁護士が調査したところ対象車両が自動車保険に加入していたため、保険会社から支払われたというものもあります。
ただし、保険会社は加害者が亡くなっていることを口実に、被害者に不利な示談内容を提示してくることもありますので、弁護士に依頼して保険会社と交渉した方がよいでしょう。
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