交通事故の弁護士費用特約とはどういったものですか?
【福井県大野市の方からのご質問】
半年前に大野市内の会社の通勤途中に、交通事故に遭いました。私が歩行者と言うこともあり過失割合は0:10なのですが、相手の保険会社の担当がいい加減な対応をするため、交渉に苦労しています。交通事故で入院した病院は住んでいる大野市内の病院でなかったため、自宅近く大野市の病院に転院を希望してもなかなか了承してくれなかったり、返事も1週間以上待たされることも普通で、示談交渉が滞っている状態です。
そんな時に会社の同僚が、交通事故の交渉を弁護士に頼んだらどうかとアドバイスしてくれました。同僚の兄が交通事故に遭った際に弁護士に頼んだらしく、費用も加入していた自動車保険の保険会社が、弁護士費用特約から出してくれたと聞いたと言っていました。弁護士に依頼するのは費用の面で躊躇していたので、保険会社から費用が出るのであれば弁護士に頼もうかと思っています。私自身自動車保険に加入しているのですが、弁護士費用を保険会社から払ってもらえるのでしょうか?
【弁護士からのアドバイス】
自動車保険に加入している場合、交通事故の示談交渉は保険会社が代わりに行うことが多いです。これは保険会社が相手に対して治療費などの損害賠償金を支払う立場であるため、契約者に代わって交渉することができるのです。反対に言うと、交通事故の被害者の過失が0である場合、自動車保険に加入していたとしても相手に補償をしなくてもいいため、保険会社が代わりに示談交渉することができません。交通事故の被害者からすると「交通事故の時は保険会社が代わりに交渉してくれると思っていたのに」との声があったため生まれたのが、弁護士費用特約です。交通事故の示談の場合、報酬を受けて示談交渉が出来るのは弁護士のみであるので、その費用を保険会社が支払う特約を自動車保険に付帯することが多くなっています。
しかし、弁護士費用特約を利用する注意点に、「弁護士費用特約は保険会社が許可した場合にのみ利用できる」との条件が付いていることがほとんどである点です。そのため、交通事故の被害者が弁護士に依頼してから保険会社に、「弁護士を使ったので、その費用を支払ってください」と言っても、支払われないことがほとんどです。特に、被害者の方も過失割合がある場合には、保険会社が代行して示談交渉を行うことができるため、弁護士特約の利用を認めないと言うことが多いです。弁護士費用特約を利用して弁護士を雇いたいと思う場合には、先に保険会社に利用の許可を得てから、弁護士に頼むという順番を間違わないようにしましょう。どうしても、保険会社の方が認めない場合は、相談している弁護士の方から保険会社に打診してもらうという方法もあります。