加害者が死亡した場合、誰に損害賠償請求したらよいですか?
【福井県敦賀市の方からのご質問】
夫が敦賀市内の県道で、自動車同士の衝突事故で亡くなりました。交通事故の状況は相手の自動車がセンターラインをオーバーして、対向車線を走行中の夫の自動車と正面衝突したもので、夫は即死でした。相手も敦賀市内の病院に搬送された後、死亡が確認されたのですが、この場合夫の交通事故の損害賠償請求先はどこになるのでしょうか?
加害者は敦賀市内在住の68歳の男性で、同居している妻のほかに、敦賀市内に2人の子どもが住んでいると聞いています。加害者は亡くなっているため、加害者が自動車保険に加入していたとしても請求でるのか心配です。保険会社に請求できない場合、加害者の遺族に請求することになるのでしょうか?幼い子供もいるため、ちゃんと請求をしたいのですがどうしたらよいか分からないため、弁護士に依頼して請求する方が良いのかとも考えています。
【弁護士からのアドバイス】
交通事故による死亡と聞くと、被害者の死亡が真っ先に思い浮かべますが、時として加害者だけ、もしくは加害者・被害者双方が亡くなることもあります。交通事故の損害賠償請求は加害者に対して行われますが、加害者が死亡している場合は法的な相続権のある遺族へと相続され、加害者遺族に請求できます。敦賀市のご質問者の場合、加害者が亡くなっているため、加害者の妻と子供にその損害賠償責任が引き継がれます。具体的には加害者が所有していた財産から、被害者や被害者遺族に対して損害賠償金が支払われ、それでも足りない場合には加害者の遺族が支払うことになります。
しかし、遺族が相続放棄の手続きをすると、遺族に対して請求がすることができません。弁護士を通じて請求したとしても、相続放棄を家庭裁判所が認めてしまうと、加害者遺族に対して請求することはできなくなります。加害者が任意の自動車保険に加入していた場合は、加害者が死亡していたとしても保険会社に対して損害賠償請求をすることができます。亡くなったご主人が自動車保険に加入していたのならば、加入していた保険会社を通じて相手の保険会社に対して保険金の請求をすることも出来ますので、相談をした方が良いでしょう。また、ご主人に過失がなく加入していた自動車保険が使えない場合には、弁護士を通じて損害賠償請求するのが得策となります。弁護士費用に関しては、自動車保険に弁護士費用特約が付帯しているものもあるため、加入している自動車保険の内容の確認をすることをお勧めします。