交通事故の過失割合は誰が決めるのでしょうか?
【福井県坂井市の方からのご質問】
坂井市内の信号のない横断歩道を横断中に、自動車にはねられました。足の骨を折る大怪我で2カ月の入院を余儀なくされたのですが、加害者の坂井市内の会社員と過失割合のことで揉めています。
私の方は横断歩道を渡っていたのですから、何も落ち度はないと考えているのですが、加害者の方は「急に歩行者が飛び出してきたので、歩行者の方も悪い」と言って、100%の過失を認めようとしません。加害者の方は「弁護士を雇ってでも、100%の過失割合を認めない」と言っています。交通事故を担当している坂井市内の警察にも相談したのですが、警察は交通事故の証明はできても、過失割合にまでは関与しないと言われ大変困っています。
そのため、入院の治療費も私が支払いをしており、金銭的にもかなりの負担になっています。交通事故の過失割合は誰が決めるのでしょうか?
また、過失割合を変えることはできるのでしょうか?
【弁護士からのアドバイス】
交通事故の過失割合は、示談交渉をする上で大きな問題になります。弁護士による示談交渉でも、過失割合で相手方と紛糾することがあるほどです。そもそも、過失割合は「交通事故の当事者がどれだけ悪いか」と言うことになりますので、自分の過失割合が20%とすると相手方からは治療費や損害賠償などは80%分しかされなくなります。交通事故においては「交通事故の原因は100%自分にある」と認める人が少なく、冷静に見れば不条理な理由で「相手が悪い」と非難することがほとんどです。そのため、交通事故の過失割合に関しては、過去の交通事故の判例などから一定の基準があります。事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」と言われるもので、ほとんどの場合でその基準に準じたものとなります。
坂井市のご質問者の場合、信号機のない横断歩道上での交通事故の場合、歩行者の過失は0になります。仮に歩行者の方は自動車の確認が容易で、自動車の方が歩行者の発見は困難の場合は10%となりますが、自動車の運転手に対しては「横断歩道付近は徐行する」と言うのが義務づけられています。急に飛び出したと言っても、故意に歩行者が自動車にぶつかっていったというのでもない限り、横断歩道上での交通事故は自動車側の方が圧倒的に過失を負うことになります。相手方が「弁護士を雇っても争う」と言っていますが、弁護士からしても質問者に特別な過失がない限り過失割合が100%から大きく変わると言うことは考えづらいです。もし、加害者側が弁護士をたてて話しをしに来た場合は、質問者側も弁護士を通じて対抗をした方が良いかもしれません。