交通事故に遭った場合にするべきことは何ですか?
【福井県福井市の方からのご質問】
先日、福井市内の横断歩道を横断中に、左折してきた自動車に衝突されました。すぐに警察を呼んで、現場で簡単に事情聴取された後に、救急車で福井市内の救急病院に搬送されました。
事故から3日経ちますが、加害者からも警察からも連絡がなく、大変不安な気持ちでいます。現在も入院中で治療費などもかかっており、加害者と早く連絡を取りたいと思っていますが、連絡先どころか名前すらも分かっていません。自動車のナンバーが福井でしたのと交通事故現場から考えても、福井市内に住んでいるとは思うのですが、それ以上のことは分かりません。
初めての交通事故で混乱していたとはいえ、加害者の名前などを聞いておかなかったことが悔やまれます。いまさらながら交通事故に遭った際に、現場でしておいた方が良かったことがあったのではないかと考えています。交通事故に遭った際に、すべきことにはどういったものがあるのでしょうか?
【弁護士からのアドバイス】
交通事故に遭った際に、最初にしなければいけないことは、「警察への通報」です。交通事故が発生した際には警察に通報することが義務付けられていますので、物損や怪我の多寡にかかわらず、通報しましょう。交通事故の相手が通報を嫌がったり、逃げたりした場合でも、警察は交通事故として扱ってくれます。万が一逃げた場合には、「ひき逃げ」と言うことになり、軽微な怪我であっても重罪が課されるケースもありますので、自身が加害者と言う場合でも必ず通報しましょう。交通事故の現場で相手方と名前や連絡先、加入している保険会社の確認などをしておく方が、のちの示談交渉がスムーズに進みます。しかし、交通事故の相手方の名前などが聞けずに病院に搬送と言うケースがありますが、警察が相手方に調書をとっている場合には、事故を証明する事故証明書に加害者の名前や住所などが記載されるため、警察に直接聞くか交通事故証明書を取得することで、知ることができます。
今回の事故を弁護士の立場から見ると、警察に関しては現場で事情聴取をしているため、本格的な事情聴取は怪我の治療を優先して、後にしている可能性があります。一方で問題なのが加害者の方で、3日経っても加害者だけでなく保険会社から連絡がないということは、加害者の方が任意の自動車保険に加入していない可能性が大きいと言えます。その場合には、治療費等の支払いは自賠責保険からとなり、一旦自費で支払った後で自賠責保険及び加害者に請求と言う流れになります。弁護士に寄せられる相談の中には、「加害者と連絡が取れず、治療費を全額負担させられた」と言うものがありますが、被害者自身が自賠責保険に直接請求することは可能です。入院中などで自分自身で調査が困難であれば、弁護士に依頼して加害者と交渉した方が良いかもしれません。