小規模の交通事故でも弁護士に示談を頼むことが出来ますか?
【石川県金沢市の方からのご質問】
先々月、金沢市内の県道の横断歩道を渡っているときに、左折してきた自動車に巻き込まれて、金沢市内の病院に10日間入院した後、2週間の自宅療養をして勤めていた金沢の会社に復職したものの、3週間通院をして完治となりました。
加害者の保険会社が治療費を病院に支払ってくれたため、治療費の負担はなかったのですが、会社を休んだり通院のために遅刻・早退をしたりした分の給料が引かれたため、かなり収入が減っています。
入院中のこまごましたものや通院のための費用を合わせると、給料の減額も含めて40万円以上の損害になっています。
先日保険会社から提示された損害賠償金の金額は50万円程なので、実際に受け取れるのは10万円ほどということになり、交通事故で完治まで2か月近くかかっているため釈然としません。
友人に相談したところ、「弁護士に相談した方がいい」と言われたのですが、弁護士からしたら50万円なんて少ない金額でしょうし、頼むのも恥ずかしいと思ってしまいます。
また、弁護士費用も高いと聞いたことがあるので、仮に保険会社から100万円もらったとしても、弁護士に80万円支払ったら結局損になるため、このまま示談に応じた方がよいのでしょうか?
【弁護士からのアドバイス】
交通事故で支払われる保険金というと、すごく高額であると勘違いしている人もいますが、軽い接触程度の怪我であれば数万円で済み、通院3回、2週間で完治というレベルならば10万円に満たないケースもあります。
そのため「交通事故で1週間ほど通院しただけで、100万円保険金が出た」というような話は眉唾物で、交通事故で自動車が全損した分の損害賠償金が95万円で、残りの5万円が人身事故の保険金分というならばあり得ます。
ですが、たとえ20万円や50万円といった交通事故の損害賠償金としては小さいと思える金額でも、交通事故の被害者からすれば「交通事故という苦痛の対価」である大きな金額である事には違いありません。
保険会社に正当な請求をしたいと思うのは、被害者にとって当然の考え方だと言えます。
弁護士に依頼をすれば保険会社に対して請求がしやすくなるということがわかってはいるものの、その費用から二の足を踏んでいる方がいるのも事実と言えます。
一番良いのは、交通事故の案件に強い弁護士が行っている無料相談に行き、「損害賠償金額がどのくらい増額するか」「その際の弁護士費用がどのくらいかかるのか」をしっかりと聞いてくる必要があります。
先ほど質問者様がおっしゃられたように、保険金が増えた分よりも弁護士費用が掛かるようであれば弁護士に依頼する利点は少ないですので、そういったケースでは保険会社と自力で交渉した方がよいと言えます。
ただし、弁護士費用特約が使える場合には別になります。
弁護士費用特約が使える場合には、弁護士費用は保険会社が負担するため、増額分が少額であっても弁護士に依頼することが出来ます。
弁護士費用特約は、契約者本人だけでなく同居している親族や未婚の別居の子でも利用できるため、家族に確認してみるとよいでしょう。