両耳難聴の併合11級で賠償金額を1100万円に倍増できた事例
事例提供:よつば総合法律事務所
【事例】
被害者(Aさん)は、千葉市在住の50歳代の自営業を営んでいる男性でした。
Aさんは、自動車で赤信号待ちをしていたところ、後ろから追突されるという事故に遭いました。Aさんは、事故により、両側難聴、両側耳管狭窄症、頸椎捻挫の傷害を負い、難聴、耳鳴り、頸部の強い痛みなどに悩まされました。Aさんは、事故から約10カ月間、病院の整形外科、耳鼻科、整骨院に通い続けましたが、両耳の聴こえにくさと頸部の痛みが残存する状態で症状固定しました。
後遺障害については、両側難聴、両側耳鳴りについて第11級5号、頸椎捻挫について第14級9号、併せて併合11級の後遺障害等級が認定されました。
また、損害賠償については、弁護士に相談する前の段階で、相手方の保険会社から賠償金500万円程の金額提示がありました。
Aさんは、相手保険会社の提示金額が妥当かどうかを弁護士に相談するためにご来所されました。相談後すぐに弁護士が介入し、何度も相手方と交渉を重ねた結果、最終的には、当初の相手方提示額の倍額以上である賠償金1100万円(すでに受領していた賠償金を含めると1200万円以上)で示談することができました。
Aさんからは、「予想以上に賠償金額を上げてもらい、しかも早期に解決してくれたので、本当に依頼してみてよかったです。」というご感想の声をいただきました。
【弁護士からのアドバイス】
記事提供者:よつば総合法律事務所
被害者の方が自営業者(個人事業主)の場合、休業損害や逸失利益の算定で工夫が必要になります。
たとえば、確定申告書類等の収入がわかる資料をもとに、実際の収入、経費等を精査し、収入金額に固定経費等の金額を加えて基礎収入額を算定する必要があります。ここでいう固定経費とは、ケースバイケースですが、たとえば事務所家賃、リース料、租税公課、損害保険料、減価償却費などです。
基礎収入額が上がると、休業損害についても、逸失利益についても、賠償額が大きく増額することがありますので、忘れずに主張する必要があります。
本件では、Aさんの基礎収入額を実際の基礎収入額まで上げて計算し(当初、相手方保険会社は固定経費を一切考慮していませんでした。)、労働能力喪失期間についても事故時の年齢から67歳までの期間である13年で算定しました(当初、相手方保険会社は喪失期間を4年で計算していました。)。
逸失利益の金額は、“基礎収入額×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数“という計算をして算出します。