将来の介護費用が3000万円→7000万円に増額した事例

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将来の介護費用が3000万円→7000万円に増額した事例

事例提供:吉田泰郎法律事務所

【事例】
被害者は中学生でした。夜間に、自宅の近くの道路を徒歩で横断していたときに、直進してきた自動車に衝突され、大きく身体をはね飛ばされました。生命だけは取り留めましたが、後遺障害等級1級という重い障害を負ってしまいました。
自分で歩いたり、風呂に入ることができませんので、家族は自宅介護の負担を負うことになりました。

ただ、このケースでは、被害者が道路を横断しているときに発生した事故だということで、被害者の過失が、かなりとられてしまいそうでした。
「過失の部分はやむを得ないので、損害論の部分でがんばりましょう」
弁護士は、戦略を立てました。
交通事故の損害賠償請求は、総損害×過失割合で決まります。
被害者の過失が、ある程度あるようなケースでは、その分だけ、総損害が大きいのだということを証明するようにたたかう必要があるのです。

弁護士が目をつけたのは、将来の介護費用でした。
将来の介護費用とは、今後、被害者が一生の間に必要になる介護に必要なお金のことです。
加害者側の保険会社は、将来の介護費用を、1日4000円程度で見積もっていました。この場合、一生分の介護費用は合計で3000万円程度になります。
3000万円は、一見すると、大金に見えるかもしれません。
しかし、交通事故の実務にくわしい弁護士の目は、見抜きました。
「1日4000円という介護費用の評価は、安すぎる」
と考えました。
過去の裁判例の多くは、家族が介護する場合には1日8000円と評価しているのです。
また、家族が365日毎日介護しなければならないというルールもありません。
週に2回、あるいは3回程度は、プロの職業介護人を雇って、家族が介護をしない日をつくることも必要です。プロの職業介護人を雇った場合には、8000円だけではなく、その日に必要であった実費全ての請求をすることが可能です。
たとえば、プロの職業介護人を1日あたり1万5000円で雇い、週に3回来てもらうことにした場合には、1週間で4万5000円を実費として請求することができます。
そうすると、1週間あたりで計算すれば、
家族による介護 4日×8000円=3万2000円
プロの職業介護人 3日×1万5000円=4万5000円
合計で、7万7000円を請求することが考えられます。
1か月あたりであれば、30万8000円となります。
その場合、1年の合計では、約370万円を請求できることとなります。
それを「一生分」請求すると、約7000万円という金額になるのです。
保険会社の提示した約3000万円と、弁護士の眼力により算出した約7000万円では、大きな違いがあることがご理解いただけますでしょうか。

【弁護士からのアドバイス】
記事提供者:吉田泰郎法律事務所

将来の介護費用というものは、交通事故に遭ったご家族を介護するために、とても必要な費用です。
ただ、どうしても高額になってしまうために、保険会社は、将来の介護費用を、ここぞとばかりに、減らそうとします。
決して、保険会社まかせにはせずに、必ず、示談書にハンコを押す前に、弁護士に相談してください。
弁護士に相談するかしないかによって、4000万円とか5000万円も金額が違ってしまうのが、「将来の介護費用」です。
交通事故弁護団では、初回の相談料を無料で対応しています。

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